せんねんサンゴと竜の落とし子

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せんねんまえ、わたしはただの竜の落とし子のなかの、そのまたちっちゃな子どもでした。 わたしはそのとき、あまりにもちっちゃすぎて、あまりにも世界というものを知らなすぎたので、 悪い人間にだまされて、 もうすぐのところでひぼしにされるところでした。 せんねんまえのそのとき、 わたしのみがわりとしてそのからだの一部を人間にうりさばき、わたしを助けてくれたのは、 まっかやまっきいろやまきみどりやまみずいろにかがやく、 せんねんサンゴの化身のあなただったのです。
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