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なんか、ものすごく高い貸しを作ったような気がする……。
ため息を一つ吐いて。
佐和さんの方に向き直る。
「じゃあ、佐和さん。お言葉に甘えてあがらせてもらいますね」
「はい、お疲れ様でした」
佐和さんが笑いながら、そう答えた。
佐和さんにお辞儀をしながら、スタッフルームに向かう。
小さなスタッフルームの自分のロッカーから、鞄と上着を取り出し、頭につけている三角巾を外す。
そのまま、店の勝手口に備え付けられているタイムカードを押し、外に出た。
街は黄昏が近づいた、慌ただしい雰囲気に包まれていた。
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