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助手席に着くなり、缶コーヒーを開け、一口飲む。
それを複雑そうな表情で佐多が見ていた。
「てめ……。自分の分だけ買ってきたのかよ?」
「欲しけりゃ、自分で買いに行けば?」
脚を組み、これ見よがしに缶コーヒーを飲む。
佐多が舌打ちをしながら、バサリと書類を手渡してきた。
「一時間だ。一時間で頭に叩きこめ」
それだけ言うと、車のエンジンを駆けた。
缶コーヒーの飲み口を口でくわえながら、受け取った書類を捲っていく。
「おい、シートベルト。それと……その中身、車にぶちまけるんじゃねぇぞ」
くわえていた缶コーヒーを手に取り、佐多を睨み付ける。
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