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そう思って動こうとした時だ。
「ああ、そうそう。言い忘れてたんだけどね……」
男が耳元で囁く。
「僕が好きなのは『怯えた顔』ね? 演技で『それ』をされるのは……いただけないなぁ……」
男が言い終わるのと同時に、私の腹の辺りで凄まじい衝撃が走る。
バチバチと火花が散るような音。
痺れるような、焼けるような感覚。
そして激痛。
息が止まる――。
「全く、舐められたもんだな……。本気と演技の違いも見分けられないと思った?」
楽しそうに笑いながら、男が私の髪を掴んだ。
男が手にしているもの――スタンガンがバチバチと嫌な音をさせながら、光を放っている。
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