act.2 火蜥蜴~サラマンダー~

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そう思って動こうとした時だ。 「ああ、そうそう。言い忘れてたんだけどね……」 男が耳元で囁く。 「僕が好きなのは『怯えた顔』ね? 演技で『それ』をされるのは……いただけないなぁ……」 男が言い終わるのと同時に、私の腹の辺りで凄まじい衝撃が走る。 バチバチと火花が散るような音。 痺れるような、焼けるような感覚。 そして激痛。 息が止まる――。 「全く、舐められたもんだな……。本気と演技の違いも見分けられないと思った?」 楽しそうに笑いながら、男が私の髪を掴んだ。 男が手にしているもの――スタンガンがバチバチと嫌な音をさせながら、光を放っている。
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