52人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
『危険』――全身の神経がそう訴えている。
声のする方――部屋の入り口を睨む。
「こえー……。そんな睨むなや……」
苦笑しながら、声の主――男が首をゆっくりと回す。
――警告音が頭に響く。
入り口に陣取っている男――。
『異様』
そんな言葉しか出てこない。
黒い豹柄の入った赤いカッターシャツ――。
大きくはだけさせた胸元から見える、銀の十字架――。
革のズボンに黒のブーツ――。
そして――なによりも男を印象的に見せているのが――右目の眼帯。
『異様』としか言い様のない男が口に棒つきのキャンディをくわえ、ニヤニヤと笑いながらこちらを見ていた。
最初のコメントを投稿しよう!