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夜の街の――少しだけ中心から離れた場所に“それ”はあった。
完全会員制のクラブ――。
佐多が入り口で会員証を見せる。
入り口にいるスタッフがお辞儀をしながら、扉を開けた。
大音量の――音楽の洪水。
その中を絡み合うようにして踊っている無数の男女。
バーカウンターで笑いながら話している男女。
その波をかき分けながら、私と佐多は進む。
すれ違った時に、見覚えのある顔を見つける。
あれは、最近注目を集めている若手の俳優……。
一緒にいる女は……人気グループアイドルの……。
週刊誌が見れば、間違いなく、スクープとしてあげられるだろう。
苦笑しながら、通りすぎて行く。
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