act.2 火蜥蜴~サラマンダー~

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スタンガンを押し付けられた傷が疼く。 噛まれた首筋が――熱を発している。 「……なるほどね、こいつ……女を調達して貰ってるの、このクラブだけじゃなかったみたいだしね」 男に傷を気取られないように、不敵に笑ってみせる。 「まぁ、私に責任を被せて、全て水に流すのが……一番よね」 笑いながら、怒りがふつふつとこみ上げてくる。 おそらく――佐多はある程度、この事は予測していた。 佐多にも腹が立つが――一番腹が立つのは自分――。 気乗りしない仕事だからといって――感情的になって――失念する失態をおかした自分――。
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