act.2 火蜥蜴~サラマンダー~

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「そういうこと」 男の警棒が唸りをあげる。 「……っ!!」 反撃したいが、男に隙はなく。 「言っとくけど」と男がニヤリと笑った。 「俺、女だから手加減してやろうとか、そんなのないから。俺……その辺は男女平等に扱う人だし、女であることに甘えるやつ……大嫌いだからね、OK?」 おどけたような口調が神経を逆撫でする。 「手加減なんていらない。あんたこそ。舐めてかかったら怪我するわよ?」 「え? 俺、舐めてないよ~。寧ろ、あんたには全力でかからないと勝てんわ」 へらへらと笑いながら――けれども、男の“気”は変わらず、私を威圧してくる。
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