act.2 火蜥蜴~サラマンダー~

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「けどなぁ……」と。 男が喉の奥でクックッと笑う。 「そろそろ限界やろ?」 男がゆっくりと間合いを詰めてくる。 「まぁ、運がなかったんだと……諦めな」 男が警棒を振りかざした。 「ほな、さいなら!!」 男が踏み込み、間合いを詰めたのを見計らい、再び私も動いた。 「!?」 男の驚愕した顔が近づく。 突き付けられた警棒が顔をかすめた。 頬に熱のようなものが走る。 身体中に広がる鈍痛を気力で押し込め、男の左目に拳を放った。 指輪に仕込んでいる暗器の針が飛び出す。 「ちっ!!」 男が舌打ちをした。
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