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男と女の波をかき分けたどり着いたところ――。
クラブの一番奥に位置するところに二人の男が陣取っている。
その男たちに佐多が耳打ちをする。
男がちらりと私を見た。
愛想笑いをしたが、男たちに無視をされ、気分がシラケる。
これからすることを含めて考えると――うんざりする。
佐多が私の方を見て、視線だけで「行くぞ」と促してきた。
男たちが壁から離れる。
手にしているインカムに何事かを囁くと、壁が音もなく開く。
隠し扉――。
佐多と私が滑りこむようにして中に入ると、音もなく、また、扉が閉められた。
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