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隠し扉から隔てられた空間――。
赤を基調として作られた廊下――低めに流れている音楽――吐きそうになるほどに甘ったるい香り――。
その中を私と佐多は更に進む。
廊下から見える部屋――。
裸の男と女が淫らに絡み――声を上げている。
あちらでも、こちらでも――。
まさに隠された空間。
このクラブの真の姿。
金と時間をもて余した男と女の社交場……。
そう言えば聞こえは良いが、なんのことはない。
ただの淫売宿と一緒――。
買う側に金と権力と時間が有り余る程にあるというだけの話だ。
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