52人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
それでもこの男はクラブにとって上客である。
凶行を知ってはいても、断ることができない。
断ることもできないが――これ以上女を潰されるのもたまったものではない。
だから、クラブの元締めの一人が依頼してきた。
「あの男を殺してくれ」――と。
佐多から手渡された資料によれば、恋人を男からダメにされたとか書かれていたような気もするが……
そんなことどうでもいい。
目の前で私の腰を抱き、笑っているこの男――。
こんな男の相手をすることを考えただけで、辟易する。
最初のコメントを投稿しよう!