53人が本棚に入れています
本棚に追加
適当に相手して……さっさと片付けよう。
男に微笑みながら、これからやるべきことをある程度、シミュレートしていく。
「では、ゆっくりお楽しみください」
こちらのうんざりするような思いなど、全く意に介さない佐多が、慇懃にお辞儀をし、部屋から出ていった。
部屋から出ていった佐多を見送り、男が私をベッドに誘いながら、囁いた。
「君は……とても綺麗だね……」
「ありがとうございます」
男が私の頬に触れる。
「本当に綺麗だよ……。この白い肌に……傷を刻み込むことを考えたら……ぞくぞくするね」
男の目が妖しく光った。
その刹那。
何かを振り上げる音とバシッという激しい音。
そして――頭を揺るがす衝撃と痛み。
最初のコメントを投稿しよう!