act.3 カイト

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そのまま佐多を残し、立ち去ろうと動いた時だ。 「……だから?」 それは――身体の底から凍えさせるような冷たい声――。 「だから、なんだ?」 酷薄な笑み――。 思わず息を飲む。 「心配する“ふり”がなんだって? そうやってヒス起こして、ギャンギャン吠えて噛み付けば、俺が優しく頭撫でてくれるとでも期待したのか?」 身体が熱い――。 なのに――震えが止まらない。 「よく帰ってきたなって誉めてくれると思ったのか?」 佐多が冷酷な視線で私を居抜く。 「お前こそ……甘ったれてんじゃねぇぞ。“仕事”はこなして一人前じゃねぇ。当たり前っていうんだよ」
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