act.4 居酒屋 八千代

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「なっちゃん……」 まだ何か言い足りなさそうな千冬さんに笑いかける。 「それに……あの人にも言われちゃったんだけどね……。私、この仕事以外に取り柄ないから。堅気になっても、八雲さんや千冬さんみたいにはなれないと思うから……だから……」 「そうじゃないでしょ?」 言いかけた私を遮るようにして、千冬さんがため息を吐いた。 「……仕事をやめられない本当の理由は……佐多さんから離れたくないからなのよね?」 千冬さんが悲しげに呟く。 「なんであんな男が良いのかしらねぇ……。あんただったら他に良い男はいくらでも寄ってくるだろうに……。なんであの男なの?」 黙ったままで居ると、千冬さんが再びため息を吐いた。 「女ぐせは悪い、そのくせ女に対して優しい訳でもない、自分勝手だわ、上から威張るわ、薄情だわ……。ああ、なんか言っててイライラしてきたわ……」
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