act.4 居酒屋 八千代

12/19
前へ
/19ページ
次へ
「私、そろそろ帰りますね。いろいろとありがとうございました」 そう言って立ち上がると、八雲さんが笑顔をこちらに向けた。 「なっちゃん。アタシが作ったうま煮。良かったら持って帰って食べなよ。ちーちゃん、うま煮。タッパーに詰めて」 「はいはい。あ、そうだ。焼おにぎりもあるからそれも一緒に持って帰って」 ニコニコと笑いながら、千冬さんは厨房の方へ小走りして行った。 「すいません……」 「良いの、良いの。夜食に作ったら作り過ぎちゃったから、持って帰ってくれると助かるのよ。アタシもちーちゃんも」 そうして「なっちゃん」と改めて八雲さんが優しく笑う。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

64人が本棚に入れています
本棚に追加