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「まぁ、そういうことなら……これはなっちゃんに預けとくわね」
言いながら、千冬さんから佐多のスーツを手渡される。
「ちーちゃん。あんた、スーツに何か仕込んでないでしょうね?」
八雲さんが疑わしそうに千冬さんを凝視する。
「失敬な!! 仕込んでなんかないわよ!!……剃刀しか」
「仕込んでるじゃないの!!」
「冗談だってば。何も仕込んでないっつぅの!!」
「……冗談じゃなく、本気に見えるんだもん、ちーちゃんの場合」
八雲さんと千冬さんの会話を聞きながら、笑って挨拶をする。
「じゃあ、八雲さんも千冬さんも。本当にありがとう。おやすみなさい」
「気をつけて帰るんだよ」
八雲さんが笑顔で手を振るのを見ながら、店を出た。
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