act.4 居酒屋 八千代

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鞄からスマホを取り出し、着信履歴を見る。 佐多亨――。 受信されたメールを開く。 『今、どこに居るんだ? メールに気がついたら返信をよこせ』 『八千代に居て、メールに気がつかなかった。今はアパートに居る』 メールを送信し、枕元に置くと、すぐに返信が返ってきた。 『そうか。今日は疲れただろうし早く寝ろ。それから――』 『――よく頑張ったな、ありがとう』 その一言で――心が熱くなる。 『追伸:貸したスーツにシワを作るなよ』 スマホの液晶を覗きながら、クスッと笑う。 ベッドから起き上がり――。 鞄の横に無造作に置いたスーツを手に取る。
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