act.4 居酒屋 八千代

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痛みに耐えながら――とぼとぼと歩き、家路を目指す。 見慣れた店の明かりが見えてくる。 明かりにうっすらと照らされた文字――。 『居酒屋 八千代』 ぼんやりと見える八千代の文字を見て、安堵のあまりその場に座り込みそうになる。 目頭が熱くなる。 「ありがとうございました~!!」 店の中から明るい声が聞こえてきた。 数人の男性が手を振りながら店から出てくる。 その男性の後から妙齢の女性が出てきて、笑いながら男性を見送る。 綺麗に纏められた黒髪に凛々しくて綺麗な横顔――。 地味ながらも品の良い柄の着物が良く似合っている。 店に入ろうとする女性に掠れた声で呼び掛けた。 「……千冬さん」
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