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遥汰から手渡されたチケットを見てみる。
「なんかね……ドリンク付きのライブをやるらしいんだけど、チケットが全然売れないからって泣きつかれてさ」
そう言って、再び笑顔をこちらに向け。
「この間のさ、一緒に帰れなかった分の貸し。これで帳消しにしようよ。ね? 一緒に学祭行こう?」
子供が何かをねだるような無邪気な口調に微笑ましさを感じながらも、ゆっくりと遥汰にチケットを返す。
「ごめん……。無理だよ……」
「なんで?」
不服そうに言う遥汰に苦笑しながら答える。
「これ……今度の日曜日の午後からだよね? 私、仕事だから……」
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