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「……ねえ? なずなさん? 俺の話、聞いてる?」
言われてはっとなる。
「あ……ごめん、遥汰君……」
そう言うと遥汰がクスッと笑った。
「聞いてなかったんだ……」
「ホントごめん……」
もう一度謝ると、少しもったいぶった風にジーパンのポケットから何かを取り出した。
「これはますます付き合ってもらわないとなぁ……」
そうして「はい」と言いながら、遥汰がポケットから取り出したものを手渡してきた。
……チケット?
「……これ」
チケットを見ながら遥汰を見ると、にっこりと子供のような笑顔を向けてきた。
「今度の日曜日。大学でさ……学祭があるんだけど、後輩に頼まれちゃって」
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