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そんな俺の複雑な思いなど知るよしもなく、彼女は続ける。
「今日さ、それを確信しちゃって……。まぁ、前からそうだとは思ってたんだけど……はっきりと私のことは道具と思ってることがわかったから……」
彼女の独白をそこまで聞いて、勢いよくテーブルの上に突っ伏した。
ゴン!!という音が響き、彼女があわてて、腰を浮かせた。
「え!? ちょっと!? どうしたの!?」
突っ伏したまま、ハァーとため息を吐き――
「……蜥蜴ちゃん」
「なぁに!? 大丈夫なの!?」
「大丈夫。大丈夫やけど……」
突っ伏したまま、ぐるっと横を向く。
さっきから俺を睨んでいたおばちゃんと目が合い、おばちゃんがあわてて目を反らした。
「大丈夫なんやけどな……。俺……あのオッサンが心底気の毒になってきた……」
「佐多が? 何で?」
……何で?って!!
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