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俺があそこにいた理由――。
彼女が気になって、調べたのだ。
そうして少しだけ様子を見ようと、周辺をうろうろしている時に――
佐多と揉めて泣いている彼女と会ったのだ。
確かに……疑問やわなぁ……。
敵に等しい俺があそこにいること自体……疑問やけど。
理由を言ったら……
多分、引かれる。
いや、確実に引かれる!!
なんか、ストーカーチックやし、怪しいし、絶対引かれる!!
「……?」
ぐるぐると思考して、固まっている俺を彼女が不思議そうに覗きこむ。
「えっと……俺があそこにいた理由……」
シェイクをずるずると再び飲みながら。
「…………偶然」
「偶然?」
「そう、偶然、たまたま……あそこに居たの……」
我ながら……なんて下手な言い訳をしてんねん!!――と心の中で突っ込む。
彼女と俺の間に妙な沈黙が流れる。
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