act.10 好きな景色

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俺があそこにいた理由――。 彼女が気になって、調べたのだ。 そうして少しだけ様子を見ようと、周辺をうろうろしている時に―― 佐多と揉めて泣いている彼女と会ったのだ。 確かに……疑問やわなぁ……。 敵に等しい俺があそこにいること自体……疑問やけど。 理由を言ったら…… 多分、引かれる。 いや、確実に引かれる!! なんか、ストーカーチックやし、怪しいし、絶対引かれる!! 「……?」 ぐるぐると思考して、固まっている俺を彼女が不思議そうに覗きこむ。 「えっと……俺があそこにいた理由……」 シェイクをずるずると再び飲みながら。 「…………偶然」 「偶然?」 「そう、偶然、たまたま……あそこに居たの……」 我ながら……なんて下手な言い訳をしてんねん!!――と心の中で突っ込む。 彼女と俺の間に妙な沈黙が流れる。
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