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強引に彼女を連れ出した後――いくあてもなく、黄昏時の街をぷらぷらと歩いて居たが……。
何か、抑えていたものが耐えきれなくなったのか、彼女はずっと泣き続けていた。
奇抜な格好の男が泣いている女を連れて歩いていれば、それはもう目立つ訳で――。
周りの視線は痛い訳で――。
そんな視線から逃れる為に、通りかかったマックに入った訳で――。
――ああ、そこに座っとるオバチャン!! 睨まんといて!! 泣かせたのは俺やない!! 断じて俺やないから!! 全ては佐多のオッサンが悪い……とは言い切れんけど、俺やないからぁぁ!!
泣いている彼女を見て、もう一度ため息を吐く。
彼女が泣いている原因――何があったのかは知らないが、おそらく佐多が暴走したのだろうということだけはわかった。
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