act.10 好きな景色

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強引に彼女を連れ出した後――いくあてもなく、黄昏時の街をぷらぷらと歩いて居たが……。 何か、抑えていたものが耐えきれなくなったのか、彼女はずっと泣き続けていた。 奇抜な格好の男が泣いている女を連れて歩いていれば、それはもう目立つ訳で――。 周りの視線は痛い訳で――。 そんな視線から逃れる為に、通りかかったマックに入った訳で――。 ――ああ、そこに座っとるオバチャン!! 睨まんといて!! 泣かせたのは俺やない!! 断じて俺やないから!! 全ては佐多のオッサンが悪い……とは言い切れんけど、俺やないからぁぁ!! 泣いている彼女を見て、もう一度ため息を吐く。 彼女が泣いている原因――何があったのかは知らないが、おそらく佐多が暴走したのだろうということだけはわかった。
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