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彼女の前に置かれたハンバーガーとポテト、コーヒーを指差し、そう言った。
「ん、食べる。ありがとう」
ここにきて、彼女が初めて笑顔を見せた。
不覚にも、その笑顔にときめいてしまう。
――いやいやいやいや!! アカン!! アカンぞ!! カイト!! 彼女はアカン!! なんと言っても商売敵やし、何より、あのオッサンに目ぇつけられてみぃ!! めっちゃめんどいわ!!
ハンバーガーの包みを開けている彼女と目が合う。
「……何?」
困ったような笑顔を向けられ。
――だからアカンってぇぇ!! 蜥蜴ちゃん、あんた、無防備すぎる!! わかってんのか!? 俺とあんたの立場わかってんのかぁぁ!! てか、何で俺、こんなにテンパってんねん!! かっこ悪ぅぅ!!
俺の心の中の叫びなど知るよしもなく、彼女は俺に向かって微笑み続ける。
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