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しどろもどろに何故かオッサンをフォローしている俺を見ながら、彼女がクスッと笑った。
「……慰めてくれるんだ?」
「は!? いや、その……」
「ありがとう。カイト……案外、良い人なんだね」
「はい? 何を言うてんの?」
彼女の『良い人』という言葉にひっかかりを感じ、思わず反論する。
「俺は良い人ちゃうで。自分の感情のままに動くし、人を傷つけることにも躊躇いとかあれへんし」
「つかな……」と彼女を冷たい目で見据える。
「蜥蜴ちゃんもプロやからわかるやろ? 簡単に信用したらあかん。不用意に近づいたら……痛い目見るで?」
それは半ば自分に言い聞かせるかのようで。
そんな俺を見て、再び彼女が困ったように笑う。
「……そうなんだけど。でも嬉しかったから。慰めてくれたり、庇ってくれたり……嬉しかったから。だからありがとう」
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