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――こいつは……マジでアカンかもしれん。
これ以上深入りしたらダメだと本能が警告を発している。
秘密倶楽部で初めて彼女に会った時――。
冷酷に。冷静に。無慈悲に命を葬るその姿にぞくぞくして惹かれたが――
無邪気に無防備に接してくる彼女を見て、マズイと本能が警告している。
深みに嵌まれば、抜けられなくなる。
それがわかっているのに、動くことができない。
このまま、彼女を放って、置いて帰るのが正解。
それがわかっているのに――
動けない――。
黙ったままの俺に彼女が怪訝そうな表情をする。
「ん? あ……いや……」
心の中を見透かされまいと、ごまかすようにして彼女に笑い返した。
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