act.10 好きな景色

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「なんつうか……オッサンも大変やろうなって……」 「オッサン? 佐多がなんで?」 「なんでって……オッサン、蜥蜴ちゃんのこと大好きやのに、蜥蜴ちゃんは気がないっちゅうか、気が多いっちゅうか……そんな感じだから」 苦笑しながらそう言うと、彼女が不思議そうな顔をして笑った。 「佐多は……私のことなんとも思ってないよ?」 「……はい?」 「佐多が私を側に置きたがってるのは、私が都合の良い道具で飼い犬だから。だから……大事にしてるように見えるだけ。佐多は私のことなんとも思ってない。私は……佐多のこと好きなんだけどね……」 彼女の独白を聞いて、思わず固まる。 佐多が……蜥蜴ちゃんに惚れてない? ……何を言ってんの? この娘? あんだけ、わかりやすいほどに独占欲とか嫉妬とか駄々漏れしてんのに、蜥蜴ちゃん、あれを気がないって思ってんの!?
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