47人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんつうか……オッサンも大変やろうなって……」
「オッサン? 佐多がなんで?」
「なんでって……オッサン、蜥蜴ちゃんのこと大好きやのに、蜥蜴ちゃんは気がないっちゅうか、気が多いっちゅうか……そんな感じだから」
苦笑しながらそう言うと、彼女が不思議そうな顔をして笑った。
「佐多は……私のことなんとも思ってないよ?」
「……はい?」
「佐多が私を側に置きたがってるのは、私が都合の良い道具で飼い犬だから。だから……大事にしてるように見えるだけ。佐多は私のことなんとも思ってない。私は……佐多のこと好きなんだけどね……」
彼女の独白を聞いて、思わず固まる。
佐多が……蜥蜴ちゃんに惚れてない?
……何を言ってんの? この娘?
あんだけ、わかりやすいほどに独占欲とか嫉妬とか駄々漏れしてんのに、蜥蜴ちゃん、あれを気がないって思ってんの!?
最初のコメントを投稿しよう!