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――――
「遥汰君、最近、来ないわね……。なずなさん、何か知ってますか?」
「え?」
遥汰に決別の言葉を告げてから1週間――
惣菜屋で佐和さんから唐突にそう聞かれ。
「……えっと、なんか……レポートが忙しいとかなんとか……言ってました……」
曖昧にそう答えると、佐和さんが笑顔で頷いた。
「学生さんだものね……って、お客さんだわ」
あわてて、カウンターの方に行く佐和さんにあわせて、私もカウンターの前に立つ。
カウンター越しにお客の言う惣菜を取り出しながら、別のことを考えてしまう。
あれから、遥汰はお店の方に顔を出していない。
案の定、八千代に預けられていた自分のスマホを回収し、着信履歴を見てみたが、遥汰からのものはなかった。
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