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キイロックがかかってるから、スマホのデータは開けられない。
遥汰のことはバレてないとは思うが……
八千代に届けられてるかもしれない……。
八千代にも行かないと……。
ぐるぐると思考する私を見て、遥汰がクスッと笑った。
「また、ぼんやりしてる」
「え? あ、ゴメン……」
「なずなさんって……ひょっとして、妄想癖とかあるの?」
「ないよ!!」
「剥きになるところが怪しいっていうか……やっぱり、可愛いよ、なずなさん」
「もう!!」
苦笑して、遥汰を見ると、遥汰が再び優しげに笑った。
「……うん。貴女はそうやって笑ってる方がいいよ」
「……え?」
「貴女の笑顔……好きだよ」
どうして、彼は――
こうも真っ直ぐなのだろう――。
眩しくて――綺麗で――
どんどん惹かれているのに――哀しくて――。
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