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「ごめんなさい、遅くなって。待ったでしょう?」
惣菜屋の仕事を終わらせ、遥汰の待つ、スタバに行くと、遥汰は窓際の明るい席で、レポートを書いていた。
レポートから顔を上げて、遥汰が笑う。
「全然大丈夫だよ」
レポートを纏め、鞄の中に入れながら「座ったら」と遥汰が私に促した。
「ううん、良い。すぐに済む話だから」
敢えて素っ気なく答えると、遥汰が怪訝そうな表情をした。
「……なずなさん?」
決心が揺るがないように――
一呼吸させてから、遥汰を見据える。
「遥汰君……。こうやって……お店以外で二人で会うのはもう止めよう」
「……え?」
「私と貴方は、お店に来るお客さん……。それだけだから」
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