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「ちょっ、待ってよ、いきなりそんなこと……」
狼狽して、困ったように遥汰が笑う。
「話はそれだけだから……。じゃ、レポート。頑張っ……」
「それだけじゃないだろっ!!」
「頑張ってね」と言おうとして、大きな声で遮られる。
「何だよ!? それ!? いきなりワケわかんないよ!! ちゃんと説明しろよ!!」
「遥汰君、落ち着いてよ。大きな声出さないで。みんな見てるから……」
「関係ないだろ!! ごまかすな!! ちゃんと説明しろって言ってるんだ!!」
半ば予想していたこととは言え。
彼がこんな風に激昂するのを目の当たりにして、どうしていいかわからない自分がいる。
黙ったままの私に、遥汰が何かに気がついたように、表情を変える。
「なぁ……。俺があげたペンダント……どうしたんだよ?」
遥汰の問いに答えられず、彼の視線から逃れるようにうつむいてしまう。
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