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「あ、ふーこさん。これ……良かったら食べてください」
そう言って、買ってきたクッキーを渡すと、ふーこさんが嬉しそうに笑った。
「ありがとう。今、お茶を入れるわね。そこに座って。ソファーじゃなくて申し訳ないんだけど」
パイプ椅子と簡素なテーブルを指さし、キッチンの方に行こうとするふーこさんに手を伸ばす。
「あの……お構い無く。私、ふーこさんに報告しに来ただけですから。仕事の邪魔しちゃったら……申し訳ないです……」
「こら。変な気は使わない。貴女の悪い癖よ? 貴女はお客様。お客様にお茶を出すのは当たり前のことでしょう?」
「いや、でも……」
いいよどむ私に、ふーこさんが微笑む。
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