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組織に取って、ふーこさんの存在は畏怖と尊敬の象徴であると同時に……
それを快く思っていない連中も居た。
組織の汚れ役であり、幹部でもあった彼女を疎ましく思っている連中から、条件を突き付けられたのである。
『これが最後の仕事だ。これを終いにはれて自由になるといい』
引き受けた仕事は……
とてつもなく危険で、とてつもなく苛酷な依頼。
それを彼女は一人で実行し、自由を手に入れた。
片足に――後遺症の残る傷を負う代償とともに……。
カチャンという軽い音がテーブルの上で響き、ハッとなって顔を上げる。
ふーこさんが私の顔を覗きこむように見ながら、ニコニコと笑っていた。
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