45人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうぞ」
湯飲みに入れられたお茶を差し出される。
「本当は貴女が持ってきたクッキーには紅茶が合うんだろうけど……。日本茶で我慢してね」
困ったように笑うふーこさんに、首を勢いよくふって答える。
「いえ、ふーこさんの煎れてくれるお茶……美味しいから。ふーこさん、模擬訓練のあと、よく煎れてくれて……好きだったんです」
「あら、嬉しいこと言ってくれるわね」
笑いながら、ふーこさんが私のはす向かいに座る。
少しの沈黙が流れ――。
湯飲みを手にしたふーこさんが私を真っ直ぐに見つめてきた。
「で?」
お茶を啜りながら、優しく問いかける。
「ここにきた理由は何かしら?」
「……え?」
「報告……って貴女は言ってたけど。それだけじゃないんでしょう?」
最初のコメントを投稿しよう!