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「まぁぁ!! そうなの!? やっぱり、恋は偉大よねぇぇ!! まるで若い頃の私達みたい!! ねぇ!! やっくん!!」
千冬さんが嬉しそうに笑いながら、八雲さんの背中をバシバシ叩いた。
「いだだだだ!! ちょっと、チーちゃん!! 痛い!! 痛いから!!」
八雲さんが顔をしかめて、千冬さんを制するが、千冬さんは聞いていない。
「あ、今でも若いんだけどね。まだまだ若い頃の話でね……」
「チーちゃん……。あんた、それ以上サバをよんだら……いくつの時の話になるの? サバをよむなら10ぐらいまでにしときなさ……」
八雲さんが言い終わるか終わらないうちに、ごっ!!という鈍い音が聞こえた。
「やっくんたら、私にベタぼれで、組織から抜けるって……」
「あの……千冬さん」
「なぁに?」
「いや、なぁにじゃなくて……なんでビール瓶、持ってるの?」
見れば、ビール瓶を持って、楽しそうになれ初め話をしている千冬さんの横で、八雲さんがカウンターに突っ伏して、震えながら悶絶していた。
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