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八千代を後にした私は、ある場所に向かっていた。
私を育て上げた女性――
ふーこさんのところ――
ふーこさん――
私がこの世界に入った時、いろいろなことを教えてくれた女性。
殺しの技だけではなく、この世界で“女”として生きて行くうえでの知恵も教えてくれた人――。
“女”を武器に、糧にして生き抜くこと。
そんなことを教えてくれた人だった。
本当の名前は知らない。
ただ、組織の中で、ふーこさんと呼ばれ、皆から母のように師のように慕われている、そんな女性だ。
私も彼女のことを慕っていた。
母のように――姉のように――。
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