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「これだけはわかる!! あんたがなずなさんを泣かせてるんだってのがわかった!! あんた……わかんないのかよ!? なずなさん……あんたの為に泣いてるんだよ!! いつも泣いてたよ!! あんたと俺の知らないところで!!」
それは、関を切って出てきたような感情の波――。
「なずなさんが何者だとか。あんたとなずなさんがどんな関係なのかとか。俺は何も知らない……」
そのまま、佐多と私の間に立ち、私を庇うようにして、佐多の前に立ちはだかった。
「決めたんだ。俺は……なずなさんを泣かせる全てのものから守ってみせるって……。俺は……彼女の涙を見たくないから。いつも……いつでも笑っててもらいたいから」
“俺は――”
“なずなさんが笑ってくれるだけで――”
“それだけで――”
“幸せだから――”
『他にはなにもいらない』
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