act.14 暴走

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「なずなさん!!」 惣菜屋での仕事が終わり、店の勝手口から出た私を迎える声が聞こえる。 「遥汰君」 笑いながら、彼――遥汰は私の方に駆け寄ってきた。 あの雨の日以来。 遥汰はこうやって私の帰る時間に待ってくれる。 “少しでも、貴女の側に居たいから” そう言って、待ってくれる。 駆け寄ってくる遥汰を見ながら苦笑する。 「遥汰君……。こうやって一緒に帰れるのは嬉しいんだけど……無理しなくていいんだからね? 遥汰君……サークルのみんなに誘われたりすることだってあるでしょう?」 「大丈夫だよ、用事がある時はそっちを優先してるし。一昨日だってそうメールしたろ? 今日は一緒に帰れないって」 「うん……。でも……」 いいよどむ私に遥汰が顔を曇らせた。 「あ、なずなさんこそ。迷惑な時はちゃんと言ってよ? 用事がある時は、なずなさんもちゃんと俺に言ってくれなきゃ、ダメだからね?」
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