act.14 暴走

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「やめてって……ダメだろう!! こんなの……暴力振るうなんて……」 「お願いだから……この人に関わらないで!!」 「でも……!!」 懇願するように叫ぶ私に――それでも食い下がる遥汰へ佐多が優しく笑いかけた。 「名前は?」 「……え?」 「君の名前。教えてくれないか?」 紳士的に――優しく問いかける佐多に、遥汰が戸惑うような表情をした。 「名前を教えて欲しい――そう聞いているんだよ」 黙ったままの遥汰に、業を煮やしたのか。 佐多が静かに威圧感を漂わせる。 それに気圧されるように、遥汰がおずおずと答えた。 「東野……遥汰だけど……」 「東野君……か」 佐多はあくまでも紳士的な態度を崩さない。 微笑みすら、浮かべている。
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