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「やめてって……ダメだろう!! こんなの……暴力振るうなんて……」
「お願いだから……この人に関わらないで!!」
「でも……!!」
懇願するように叫ぶ私に――それでも食い下がる遥汰へ佐多が優しく笑いかけた。
「名前は?」
「……え?」
「君の名前。教えてくれないか?」
紳士的に――優しく問いかける佐多に、遥汰が戸惑うような表情をした。
「名前を教えて欲しい――そう聞いているんだよ」
黙ったままの遥汰に、業を煮やしたのか。
佐多が静かに威圧感を漂わせる。
それに気圧されるように、遥汰がおずおずと答えた。
「東野……遥汰だけど……」
「東野君……か」
佐多はあくまでも紳士的な態度を崩さない。
微笑みすら、浮かべている。
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