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部屋に入ってきた男が俺を一瞥する。
「構うな、ほっとけ」
男が短くそう言った。
……舌打ちが聞こえてきたのは、気のせいだろうか?
「構うなって……このままじゃ示しがつかない……」
「いいから、構うんじゃねぇよ!! こいつはボスが直々に雇ったやつなんだ!! ボスの機嫌を損ねたくなかったら、構うな!! わかったな!!」
兄貴分の男がそう怒鳴ると、男は不機嫌そうに、椅子を乱暴に引いて座った。
「ほな。変わりの兄さんも来てくれたみたいやし……ファンタ飲んでくるわ」
「待て。誰が休憩して良いと言った」
おーい!! 構うなじゃなかったんですか!! 兄さん!!
デジャブがくるほど、おんなじセリフ、さっき言われましたよ!!
「……なんなんすか?」
うんざりと言った風に答えると、向こうからもうんざりとした表情で返された。
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