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「おお!! 来たか来たか!!」
俺が入って来るのを待っていたと言わんばかりに、恰幅の良い男――ボス猿が俺を手招きした。
「……どうも」
曖昧に返事をして、ボスに近づくと、おもむろにボスが立ち上がり、俺の肩を抱き寄せた。
男物の――香水の匂いが鼻につき、胃がムカムカとする。
……殴りてぇ。
そんな衝動を押さえ、ボス猿から顔を背ける。
そんな俺の思いなど露知らずなボス猿は、満面の笑みを浮かべ、俺の肩を揺さぶった。
「いやぁ、君のような本当に強くて名高い男が、こちらの依頼を引き受けてくれなんてね……。こんな喜ばしいことはないと!! ずっと感謝していてね」
「はぁ……」
ずっと感謝しとるって……
他にすることないんかい、このオッサンは!!
仕事せぃや!!
いや、人のことは……言えんかもわからんが。
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