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「つか、言ってる場合やないわ、蜥蜴ちゃん」
人のことは棚上げにして、カイトが私の言葉を遮った。
「こいつら……囲むつもりや……」
カイトに言われて、周りの気配を素早く探る。
右に二人――左に一人――いや、こちらも二人――。
「先手必勝、いきましょか!!」
カイトが呟きながら、私の身体を離し――
「俺、左の二人行くから、蜥蜴ちゃん、あんたは右。頼むわ!!」
言いながら、カイトは既に行動に移っていた。
ふわりと浮くように跳躍し、そのまま強烈な蹴りをお見舞いしている。
やっぱり、綺麗な体術だと――
カイトの流れるような動きを横目に私も動く。
ソファーの背もたれに手をかけ、反動をつけながら、近づいて来ている男の頸椎を蹴りあげた。
呻き声をあげながら、倒れる男の顎にも、蹴りを叩きつけてやる。
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