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「なっ!! 怖いことなんかあるかい!!」
「震えてるくせに」
「これは……武者震いじゃ!!」
「やっぱり震えてるんじゃない」
苦笑して、カイトの右腕を取り、支えるようにして、自分の肩に回す。
「いいの、怖いのはわかるから」
「だから、怖ないって……」
「私は怖いわよ」
再び、カイトの言葉に被せるようにして、言葉を続ける。
「怖くて仕方ない。依頼が来て、佐多に言われて、実行して……。その間、怖くて怖くて仕方ない。泣きながら、座り込んだら許してくれるかしらとか、途中で逃げたらどうなるかしらとかそんなことばかり考えてる」
黙って聞いているカイトに――
「当たり前じゃない」と笑う。
「人を傷つけるだけと……人の命を奪うのとでは、天と地ほどの差があるんだから……。怖いに決まってるじゃない」
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