act.17 獅子の哀

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ニヤリと笑うと、蜥蜴が顔を真っ赤にしながら、反論してきた。 「ななななによ!! あんたが滅多にしないようなことするからでしょ!? 一体、急にどういう風の吹きまわしなのよ!! あ、わかった。千冬さんが怖いんでしょ!? そうなんでしょ!?」 「煩い奴だな……」 ここまで煩く言われると、呆れるを通り越して…… 虚しくなる。 「お前さんは……素直に好意に甘えて、ありがとうって言えないのか……」 「礼はいらないんでしょ?」 「あの時はあの時。今は今だ」 顔を真っ赤にして、俺に抱かれている蜥蜴に。 「とにかく!!」 と、強く言ってやる。 「おとなしく、俺に抱かれてろ。好意には甘えとけ」 そのまま、店の中に入って行く。 蜥蜴が諦めたように、俺の胸に身体を預けながら、ポツリと呟いた。 「なんか……調子狂う……」
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