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ニヤリと笑うと、蜥蜴が顔を真っ赤にしながら、反論してきた。
「ななななによ!! あんたが滅多にしないようなことするからでしょ!? 一体、急にどういう風の吹きまわしなのよ!! あ、わかった。千冬さんが怖いんでしょ!? そうなんでしょ!?」
「煩い奴だな……」
ここまで煩く言われると、呆れるを通り越して……
虚しくなる。
「お前さんは……素直に好意に甘えて、ありがとうって言えないのか……」
「礼はいらないんでしょ?」
「あの時はあの時。今は今だ」
顔を真っ赤にして、俺に抱かれている蜥蜴に。
「とにかく!!」
と、強く言ってやる。
「おとなしく、俺に抱かれてろ。好意には甘えとけ」
そのまま、店の中に入って行く。
蜥蜴が諦めたように、俺の胸に身体を預けながら、ポツリと呟いた。
「なんか……調子狂う……」
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