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「連絡してた二人だ。看てやってくれ」
簡潔にそう八雲に伝え、裏口から店の中に入ろうとすると、千冬女将が声をあらげて、俺を呼び止めた。
「ちょっと、こら!! あんたはどこに行こうとしてんのよ!?」
「どこって……見たらわかるだろうが。店の中に入ろうとしてんだよ。……女将、老眼が進んでんのか?」
「あんだと、ごらぁぁ!? そういう意味で聞いてんじゃねぇよ!! 何、勝手に店に入ろうとしてんだって聞いてんだよ!!」
「ちょっと、ちーちゃん、ヤンキー口調になってる!! やめなさい!! 佐多さんも!! ちーちゃんを刺激しないで!!」
「知ったこっちゃねぇよ」
俺をいさめる八雲を横目で見ながら、答える。
「腹が減ってんだよ。コイツらのせいで余計な運動しちまったし。なんか食わせてくれ」
「貴様に食わすタンメンはねぇ!!」
「だから、二人ともやめなさいって言ってるでしょ!?」
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