act.17 獅子の哀

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「連絡してた二人だ。看てやってくれ」 簡潔にそう八雲に伝え、裏口から店の中に入ろうとすると、千冬女将が声をあらげて、俺を呼び止めた。 「ちょっと、こら!! あんたはどこに行こうとしてんのよ!?」 「どこって……見たらわかるだろうが。店の中に入ろうとしてんだよ。……女将、老眼が進んでんのか?」 「あんだと、ごらぁぁ!? そういう意味で聞いてんじゃねぇよ!! 何、勝手に店に入ろうとしてんだって聞いてんだよ!!」 「ちょっと、ちーちゃん、ヤンキー口調になってる!! やめなさい!! 佐多さんも!! ちーちゃんを刺激しないで!!」 「知ったこっちゃねぇよ」 俺をいさめる八雲を横目で見ながら、答える。 「腹が減ってんだよ。コイツらのせいで余計な運動しちまったし。なんか食わせてくれ」 「貴様に食わすタンメンはねぇ!!」 「だから、二人ともやめなさいって言ってるでしょ!?」
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