act.17 獅子の哀

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「カイト!! 大丈夫!?」 「ん? 蜥蜴……ちゃん? ここ……どこやねん?」 蜥蜴の嬉しそうな声と。 カイトの頼りきったような態度。 いちいち癪に触る――。 「気がついた? ここね、アタシの店。カイト君……だっけ? アタシとちーちゃん。わかる?」 噛んで含めるようにして、八雲がカイトに説明する。 「ん? 蜥蜴ちゃん……。ひょっとして……ここ、禿げのオッサンとオバハンの店か?」 「オバハン!? このガキ、まだオバハン言うか!?」 千冬女将の全身から殺気が立ち上る。 「やっくん!! 遠慮はいらん!! こないだテレビで見た心霊治療みたいに傷口に手ぇ突っ込んで、かき混ぜながら治療してまえ!!」 「ちーちゃん……。それ、やる方も結構大変だから……」 二人の会話を聞いていたカイトの顔がサーっと青ざめていく。
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