34人が本棚に入れています
本棚に追加
「カイト!! 大丈夫!?」
「ん? 蜥蜴……ちゃん? ここ……どこやねん?」
蜥蜴の嬉しそうな声と。
カイトの頼りきったような態度。
いちいち癪に触る――。
「気がついた? ここね、アタシの店。カイト君……だっけ? アタシとちーちゃん。わかる?」
噛んで含めるようにして、八雲がカイトに説明する。
「ん? 蜥蜴ちゃん……。ひょっとして……ここ、禿げのオッサンとオバハンの店か?」
「オバハン!? このガキ、まだオバハン言うか!?」
千冬女将の全身から殺気が立ち上る。
「やっくん!! 遠慮はいらん!! こないだテレビで見た心霊治療みたいに傷口に手ぇ突っ込んで、かき混ぜながら治療してまえ!!」
「ちーちゃん……。それ、やる方も結構大変だから……」
二人の会話を聞いていたカイトの顔がサーっと青ざめていく。
最初のコメントを投稿しよう!