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「ねぇ。ちょっと、蜥蜴ちゃん? 俺……いまいち状況が飲み込めてないんやけど……何? 何が今から起こるの? てか、怖い!! このオバハン、怖い!!」
「貴様……。命が惜しければ、先ずは口を閉じろ。でなければ、永遠に目を閉じて貰うこととなろう……」
「ちょっと、蜥蜴ちゃん!? このオバハン、口調がどこかのラスボスみたいになってる!! 怖い!! マジ、怖い!!」
「大丈夫!! 大丈夫だから!!」
千冬女将を間に挟み、子供を宥めるように、困ったような表情で笑う蜥蜴を見ながら思う。
こんな蜥蜴を俺は知らない――。
どこか楽しそうな蜥蜴――。
俺の知らない蜥蜴――。
「とにかく、早いとこ看てやってくれ。そんで、俺には何か飯を出してくれ」
遅々として進まない会話に終止符を打ってやるように、びしりと言い放つ。
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