群青2 モノクロ第4話

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道路側に車を停め、辺りを見渡す。 彼女に家はどこか尋ねると、先程走っていた道の向こう側にある家のひとつを指さした。 「玄関まで送るよ」 シートベルトを外した彼女が和柄のトートバッグとコンビニの袋を手にしている隙に、運転席を降り、助手席側に回る。 うやうやしくドアを開けてやれば、戸惑っている最中の彼女が俺を見上げた。 「どうぞ」 スッと手を差し出して彼女を促す。 その手をジッと見つめる彼女。 『お手』と言った方が良かったか。
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