群青2 モノクロ第4話

13/38
前へ
/38ページ
次へ
俺をチラリと見上げた彼女としばし目を合わせ、次の行動を待った。 「目の前ですから。ひとりで帰れます」 慣れないエスコートに照れているのか、スッと視線を外し、軽く触れる程度に俺の手に自分の手を重ね、車から降りる。 「これも一応仕事」 今にも逃げてしまいそうな手を捕まえ、握りしめた。 そう言えば彼女は困るだろう。 「だから」 捕えた手が俺の手の中にある以上、逃げる事はできないし 「送らせて」 逃がすつもりもない。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1550人が本棚に入れています
本棚に追加